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1の精神をまったく受け継がなかった駄作中の駄作

スプラトゥーン2は、前作の1とはコンセプトレベルからまったくの別ゲーとなっており、このゲームは互いに弾が届く距離での撃ち合いをさせるために「塗る」ゲームであることを否定した、ただの単調なシューターゲームです。

基本的な設計思想が「撃ち合いを発生させる」ことであるため、マップの構造は撃ち合いを拒否して長距離攻撃に徹するタイプのブキには徹底的なまでに利点を制限するように作られており、さらに定点に陣取ったチャージャーやシューターを無理矢理動かすためのサブの充実により、いわゆるチャージャーポジションというものはごく一部のマップ以外には存在しません。

この変更の結果がもたらしたものは、「全員が前衛」という役割も何もない突撃ゲーでした。支援や防衛が得意なブキ、つまり「前衛」を務められないブキは存在価値が希薄です。勝敗はほぼ前衛たちの数で決まり、前衛が同数なら前衛の質の差で決まります。

つまり、あなたがチャージャーや長射程のスピナーを持つ場合、ほとんど勝敗には介入できないということです。勝負はどこで何をやっているかわからない味方の成果に依存し、たまに活躍できるときは負けゲームです。どこで何をしてるかよくわからない味方の開けた戦線の穴を必死にふさぐだけのイライラする時間ばかりです。そもそも戦線なるものなど、ほとんど存在しないため、単に敵の突撃屋を警戒するしかないのですが。

結果的に、このゲームから多様性は失われました。今なおブキの追加が行われていますが、実装初日の数時間が経てば姿を消します。論理的なピーク性能が高かろうと、同じ条件で撃ち合いをさせる思想が行き届いたこのゲームでは発揮できる場面などごく限られた状況でしかなく、端的に言えば「弱いクソブキ」しかないからです。

最近で話題になったブキは、「弾がフィールドに残存するため攻撃判定が発生し続ける」というルールの例外を適用されたオーバーフロッシャーぐらいなものです(ただし先日弱体化されました)。

現在、対戦で遭遇するのはマニューバーだらけです。マニューバはスライドという特殊行動により「敵インク上では行動が制限される」というこのゲームの基本ルールを無視できるため、スライド軌道の制御ができれば、対面で圧倒的優位を取りやすく、塗り性能も高いために勝敗の要となります。

全員が前衛を務めるこのゲームでは、欠点のないオールラウンダーが4人いるのが理想で、それ以外の枠はせいぜい1枠以上は許容しないし、いなくても特に困りません。前衛を務めるということはキルを取ることを要求されるわけで、塗り専門という役割も存在しません。そもそもキルを取って前に出ないと塗れないようなマップばかりです。

マニューバー以外の大半の短射程ブキは射程差を埋められるほどの力はないので、結果的にマニューバかバランス型のシューターしか選択されないというのが現状です。それ以外だとキル重視の場合にブラスターを選ぶ人が多少いて、長射程重視の人だと致命的な欠点がないジェットスイーパーを使うぐらいでしょうか。チャージャーは好きで使っている人はそこそこいますが、大半はお荷物になっています。バケツ、スピナー、ローラー系もだいたい似たような状況で、好きな人が使っていますが戦力的には歓迎されません。戦闘力が厳しいのに塗り能力ですらバランス型シューターやマニューバに劣るのだから、好きで使っていても正直かなり厳しいです。

何でもできるバランスのいいブキをもち、全員が同じ役割をこなせる編成が勝ちやすいという、バランスに配慮した結果バランスがいいブキが順当に強いというつまらないゲームになってしまいました。1の楽しいけど酷いバランスを、楽しさを損なわずにどう昇華させてくるのか期待していただけに、残念な出来です。

ガチマッチにおいては強弱のバランスが少し変わるのですが、ルールとマップの組み合わせは2時間でローテーションするので、好きなマップとルールの組み合わせになることは滅多にありません。常時遊べるレギュラーマッチ(ナワバリバトル)はもっとも多様性が失われたルールとなっており、単調な突撃ゲームです。裏取りしてリスキルするのが大好きな人なら向いているかもしれませんが、「陣取りゲーム」ならではのキルだけではない戦いを期待している人にはお勧めしません。大抵の試合はワンサイドゲームで勝っても負けても面白くないし、前衛でないならなおさらです。前衛をやらないならば、あなたは味方が3人にならないための頭数でしかないのだから。

ーー追記ーー

オンラインサービスの有料化後、人口減少の影響と思われる格差マッチングは悪化しています。特に人の少ない日中はとんでもない上級者とド素人が平気で同じ部屋に放りこまれており、ナワバリバトルはもうスコア差2倍までは普通、3~4倍というのも日常になっています。

スコア差4倍というのはどういう試合内容かというと、「スタート地点からほとんど一歩も動けないレベルのワンサイドゲーム」で、要はリスポーン直後に殺されてる状態ですね。

こうなるとスペシャルも貯まらないためもう何もできません。切断ペナルティを受けないために放置落ちしない程度に操作入力しながら終わるのを待つだけです。1時間ほどこのゲームをやればそんな経験を2~3回はできるはずです。

PvEモードのサーモンランにおいても相変わらず酷いマッチングが放置されており、こちらは明確に「うまい人にヘタな人を引っ張り上げさせる」設計思想になっているために、うまくなればなるほど理不尽なレベルの介護を要求されるようになるだけになっています。

マッチングについてはその思想レベルから改める必要があり、評価できる部分は見当たりません。同じ思想で次回作が作られても、同じ評価が集まるだけでしょう。